サフランとは?
サフランは世界で最も高価なスパイスの一つです。その理由は、ひとつの花からわずか3本しか取れない雌しべを手作業で摘み取り、乾燥させるという手間のかかる収穫方法にあります。およそ2万本の雌しべを集めても、たった125gにしかならないほど希少なのです。
このスパイスの歴史は古く、東地中海地方の古代文明で既に利用されていました。エジプトやローマでは、料理や酒の色づけ、香水、薬として重宝されていた記録があります。7世紀には中国へ伝わり、薬や香料として用いられるようになりました。その後、10世紀にはスペインでの栽培が始まり、11世紀にはフランスやドイツ、14世紀にはイギリスにも広まりました。
その高価さゆえに、過去にはサフランに混ぜ物をする偽装行為も行われていました。中世ヨーロッパでは、サフランの品質を偽った者には厳しい罰が与えられ、時には死刑に処されることもあったほどです。
サフランの種類と選び方
雌しべの花糸(サフランスティグマ)
サフランの雌しべは、鮮やかな赤みがかったオレンジ色をしており、長さ2.5cmほどの細長い形状をしています。色が濃く、鮮やかなものほど高品質とされています。
サフランパウダー
粉末状のサフランは手軽に使えますが、混ぜ物がされている可能性があるため、信頼できる販売元を選ぶのがポイントです。より純粋なものを求める場合は、糸状のものを購入し、自宅で粉砕するのがおすすめです。
サフラワー(ニセサフラン)
サフラワーは中国、インド、中近東、メキシコなどで栽培されている植物で、「ニセサフラン」とも呼ばれます。色はサフランに似ていますが、鮮やかさに欠け、オレンジがかっているのが特徴です。値段はサフランの数分の一程度と安価ですが、風味が異なるため、料理の色づけには使えても味付けには向きません。
サフランの使い方
浸出液
均等に色づけをしたい場合は、サフランの雌しべを少量の湯に浸して使うとよいでしょう。そのまま雌しべごと料理に加えると、より風味が引き立ちます。
染料
古代からサフランは染料としても利用されてきました。その美しい黄金色は、布や衣類を染めるのにも適しています。
サフランを使った料理
サフランは世界中の料理で活躍するスパイスです。
- スペイン:パエリア、サルスエラ(魚介の煮込み料理)
- フランス:ブイヤベース(魚のスープ)
- イタリア:リゾット・アッラ・ミラネーゼ(ミラノ風リゾット)
- イギリス:サフランケーキ、リキュール(シャルトリューズなど)
わずかでも料理の味と香りを引き立て、美しい黄金色に染めることができるのが、サフランの魅力です。
サフランの薬効
インドでは古くから利尿作用や消化器系の疾患の改善に用いられてきました。また、ビタミンB群(リボフラビン)を多く含んでいるため、健康にも良いとされています。
サフランの主な生産地
現在、サフランは以下の地域で主に生産されています。
- スペイン(特にラ・マンチャ地方のものが最上級とされる)
- ギリシャ
- フランス
- トルコ
- イラン
- モロッコ
- インド(カシミール地方)
まとめ
サフランはその希少性から高価なスパイスですが、料理に少量加えるだけで特別な風味と美しい色合いを楽しむことができます。本物のサフランを選び、ぜひ料理に取り入れてみてください。
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