マッサマンカレーは、数年前にCNNが「世界で最も美味な料理」として紹介したことで一気に注目を浴びました。現在では日本の多くの食品メーカーからレトルト商品が発売され、手軽に楽しめるようになっています。私も試してみましたが、日本人の口に合うマイルドな味わいで、とても美味しく仕上がっています。
「マッサマン」とは、本来「ムスリム(イスラム教徒)」を指す言葉です。マッサマンカレーは、タイ南部のイスラム教徒が多い地域で広まり、地元のご当地料理として定着しました。しかし、イスラム教徒だけが食べるわけではなく、タイ全土で親しまれています。実際、豚肉を使ったマッサマンカレーを提供するお店もあります。タイは約90%が仏教徒で、イスラム教徒は人口の1割未満ですが、特に南部ではイスラム文化の影響を受けた料理が多く存在します。
マッサマンカレーのベースは、グリーンカレーと同様にココナッツミルクを使用し、カレーというよりはスープやシチューに近い仕上がりです。主なスパイスには、カルダモン、ナツメグ、シナモン、クローブ、コリアンダー、クミン、レモングラスなどが使われ、香り豊かで奥深い味わいになります。
私がマッサマンカレーを作る際に欠かせないのが「タマリンド」です。タマリンドはマメ科の植物で、アフリカ原産ですが、現在ではインドや東南アジア、南米などで広く栽培されています。日本ではペースト状のものが販売されており、ほどよい酸味とコクを加えるのに最適です。マッサマンカレーは決して辛いカレーではなく、酸味も極端に強くありません。日本ではタマリンドの代わりに梅干しを使う人もいますが、風味が異なるため、より本格的な味を求めるならタマリンドを使用するのがおすすめです。
日本でも「メイプロイ」のルーを使えば、手軽に本格的なマッサマンカレーを作ることができます。ココナッツミルクとタマリンドを揃えれば、より現地の味に近づくので、ぜひ試してみてください!
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