マスタードは、古くから使われているスパイスで、用途も非常に多岐にわたります。ワインを作る際、グレープマスト(無酵素のブドウ果汁)に加えて使われており、ラテン語で「燃えるマスト」を意味する”mustum ardens”からその名が生まれました。紀元前の時代には、ローマの作家プリニウスが「ピリッと火のように燃える」マスタードを使った40種類以上の治療法を紹介しています。
中世ヨーロッパでは、マスタードは家庭料理の調味料として欠かせない存在でした。15世紀末にはヴァスコ・ダ・ガマによって東方へと運ばれ、その後他のエキゾチックなスパイスに押されて人気は徐々に落ちていきました。
【マスタードの種類】
- ホワイトマスタード
薄い黄土色または黄色の種で、辛みは比較的少なく、保存がききます。主にピクルスのスパイスに使われます。 - 和辛子
ブラウンマスタードの一種で、日本料理で使われることが多いです。 - ブラウンマスタード
ブラックマスタードに似ていますが、辛さがやや弱いです。生産量はブラックマスタードを上回っており、食用として広く利用されています。 - ブラックマスタード
現在は主に葉のみが栽培されることが多いです。
【植物について】
マスタードの原産地は、ブラックマスタードが南ヨーロッパと西アジア、ブラウンマスタードはインド、ホワイトマスタードはヨーロッパと北アメリカです。
収穫方法:
さやが充分に熟したら、はじける前に摘み取り、乾燥させてから種を振り落とします。
【香りと味】
- ホワイトマスタードの種: 最初は甘さを感じ、その後に穏やかな辛さが広がります。
- ブラウンマスタードの種: 最初にほんのり苦みを感じ、その後に強い刺激的な辛さが広がります。
- ブラックマスタードの種: 非常に強い辛さが特徴で、他のスパイスと比べて香りは控えめです。
【利用法】
- 料理:
ホワイトマスタードはピクルスのスパイスに、ブラウンマスタードは南インドの料理に欠かせないフレーバーとして使います。熱した油で炒めると、ナッツのような香ばしさが引き出されます。 - 薬用:
現在はあまり使用されませんが、吐き気を抑える効果や利尿作用があるとされ、関節炎やリューマチの湿布として使われていた歴史もあります。ただし、刺激が強いため、肌が敏感な方は注意が必要です。
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