日本に来られる外国人の方には、観光目的のインバウンド以外にも、仕事や勉強のために滞在される方が多くいらっしゃいます。特に、ホームステイを利用して日本で生活を体験する方も増えています。
実は当店にも、ホームステイを受け入れたご家庭から何件かご相談をいただいたことがあります。現在では、ホームステイを斡旋する会社もあり、登録することで空いているお部屋に留学生や希望者を受け入れることが容易になっているようです(いくつかの会社がございますので、興味があれば調べてみてください)。
当店にご連絡いただいた方の中には、マレーシアのムスリムの方をホームステイで受け入れたご家庭もいらっしゃいました。その際の相談内容は、やはり「食事」に関することでした。日本に来てからほとんど食事を取れておらず、体調を崩してしまったというのです。
食事を取らなければ体調を崩すのは当然ですが、ムスリムの方々はラマダンの断食に慣れているとはいえ、日没後には食事を取ることができます。しかし、日本の環境の変化や、食事の選択肢の少なさが影響し、さらに体調が悪化してしまったのかもしれません。
そこで、まずは当店に来店し、安心して食事ができることをお勧めしました。ハラル専門店であれば、ムスリムの方も安心して食事を楽しめるからです。
日本の一般家庭では「ハラム(禁じられたもの)」の要素が多く含まれるため、ムスリムの方に食事を提供する際には特に注意が必要です。例えば、
- 豚肉やそのエキスが含まれた料理を出した食器
- アルコールを注いだコップ
これらは「ハラム」とみなされ、いくら洗浄しても「ハラル(許されたもの)」として再利用することはできません。また、料理器具や冷蔵庫も該当します。そのため、一般家庭でムスリム向けの食事を提供するには、相当な準備と配慮が必要になります。
さらに、鶏肉・牛肉・羊肉であっても、イスラムの教義に則った屠畜方法で処理されたもの(ハラル認証のパッケージがあるもの)でなければハラル食品とはなりません。当店では、ハラル認証のある食材を仕入れているため、安心してお召し上がりいただけます。
また、ハラル商品の運搬に関しても注意が必要です。過去には、ハラムの商品と同じトラックでハラル商品を運搬してしまい、訴訟問題に発展したケースもありました。場合によっては国際問題に発展する可能性もあるため、相手の宗教的価値観を理解し、慎重に対応することが重要です。誤った対応をすると、大きなトラブルに発展することもあります。
「ハラル」と「ハラム」について(アラビア語)
ハラル(حلال):神に許されたもの 食べ物だけでなく、行動・環境・衛生など、生活全般に関わる概念です。
ハラム(حرام):神に禁じられたもの ハラルの反対の概念です。食べ物であれば豚肉やアルコールが該当し、生活においても不衛生な行為や犯罪などが含まれます。
ホームステイを受け入れる際には、文化や宗教への理解を深め、適切な対応を心がけることが大切です。
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