東京出張の際に、ラマダン明けのお祭り「イード」に参加したときのお話です。
まず、ラマダン(ラマダーンとも呼ばれる)とは、イスラム暦(ヒジュラ暦)の第9月にあたり、ムスリムにとって非常に重要な期間です。この月は「断食月」とされ、日の出から日没までの間、ムスリムの義務の一つである「断食(サウム)」が行われます。基本的に、日中は水を含めて何も口にできません。
食生活のスタイルは人それぞれですが、多くの方は、日没後(大体19時頃)にお祈りをしてから食事をとり、早朝4時頃に日の出前の最後の食事とお祈りを行います。慣れてくると、深夜に一度目覚めて食事をとる方もいるようです。この断食期間は約1か月続き、その明けに行われるお祭りが「イード」です。
「イード」は国や地域によって異なりますが、一般的に3日間ほど祝われ、公的機関や多くの商店も休業となります。日本では馴染みが薄いかもしれませんが、ムスリムの方々にとっては非常に重要な祝祭日です。
東京でのイードに参加した際、あるムスリムの方が勤務先に電話をし、イードのために休みを取りたいと相談していました。その方はドライバーの仕事をされているようでしたが、会社側は「業務に支障が出る」と難色を示していました。日本社会ではまだ理解が進んでいない部分もあるかもしれませんが、ムスリムの方々にとってイードは家族やコミュニティと過ごす大切な時間であり、休みを取るのは当然のことなのです。
当日は、子供も大人も身を清め、正装して礼拝に臨んでいました。会場には多くのムスリムの方々が集まり、その数の多さに驚かされました。日本にもこれほど多くのムスリムの方々が暮らし、信仰を大切にしながら生活していることを改めて実感する貴重な経験となりました。
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