【ディル(イノンド)】

ディルの名前は、古代バイキング語の「なだめる(ディラ)」に由来。神経を落ち着かせ、消化器系を助ける働きがあるハーブです。西洋では昔から赤ちゃんの腹痛やしゃっくり止めに使われ、中世には魔除けや恋薬といった神秘的な用途にも利用されていました。16世紀からイギリスで栽培され、19世紀以降にアメリカにも広まり、現在は北半球を中心に広く栽培されています。

◆【ディルの種類】
・ディル(学名:Anethum graveolens)
・インディアンディル(学名:Anethum sowa)
インディアンディルは、種が細長く、周りが白っぽいのが特徴。
味や香りもディルと微妙に異なります。

◆【ディルの特徴】
・羽のように細かく分かれた葉
・夏に黄色い花を咲かせ、最後に細かい種ができる

◆【種の特徴(ホールスパイス)】
・平たい楕円形で茶色
・表面には5本の線があり、2本が特に太い
・1万粒で約25gという軽さ

◆【ディルウィード(葉)】
・香りがよく、サラダ、ビネガー、ピクルス、魚料理に少量のアニスとともに使われる

◆【精油】
・加工食品の風味づけに活用

◆【分布と生産地】
原産:ロシア南部、地中海地方
現在の主産地:ポーランド、ロシア、スカンジナビア、トルコ、イギリス

◆【植物の特徴】
・高さ1mほどの一年草
・夏に黄色い花をたくさん咲かせる
・砂地を好み、日光を多く必要とする

◆【収穫のポイント】
・質の良い葉は花が咲く前に収穫
・種は十分に熟してから収穫(黄色茶色になってから)

◆【香りと味】
・キャラウェイに少し似た香り
・辛さとピリッとした鋭さが特徴
・噛むと口の中に味が残り、口臭消しにもなる

◆【利用法】
料理:
・ディルピクルス(キュウリのピクルス)として有名
・スカンジナビアではジャガイモやシーフード料理に使用
・ポーランドや旧ソ連ではスープやシチューに
・フランスではケーキやペストリーにも活躍

◆【薬用】
・消化吸収を助ける
・母乳の出を良くする効果も期待

コメント

タイトルとURLをコピーしました